庭仕事

 
庭仕事はもう50年くらいやっています。通信教育で庭園設計の基礎から学び、松の手入れもしますし、庭石の配置もします。庭の手入れと言うか、庭仕事は健康のためにも良いですし、精神安定にも良いです。
ここで自伝として悔いのない人生の一環として庭仕事のことを書いてみます。

最初に庭を作ったのは結婚してすぐでした。
良い家庭庭園の紹介がありましたので、電車でわざわざ見に行ってきました。
お金もかかりますし、そのようにはできませんが、庭とはこういうものかと理解はできました。
帰って来て、少しだけですが、木を植えたり、ちょっとした石も買ってきて据えました。

だんだん庭も大きくなってきましたが、池を作って鯉を飼うことにしました。
循環装置やろ過装置に苦労しました。
でも、近所では私のほかには1軒だけしか池はありませんでしたし、私の所は道路から入ってすぐのところに池を作りましたので、親子連れの子供たちなどが、鯉をみて歓声を上げていました。

60歳という歳を見越して、庭の基礎を学ぼうと考えました。
通信教育を受けることにしたのですが、結構高額でしたし、ダメモトで国に申請してみましたら、お金を出してもらえることになりました。

この通信教育は毎月問題に対するレポートを出して点数を付けられます。
私は、教科書を何回も読み返し、徹底的に回答を探しました。するとどこかには必ずそのヒントがあるのです。
毎月毎月徹底的に教科書を調べて回答しましたら、づっと100点が続きました。
しかし最後の方になってきますと、応用問題となり、教科書には書いてないのです。
理解したことを元に、自分で考えねばなりません。
しかし結果として、全部100点で通すことが出来ました。

そうしましたら、その通信教育の会社から、最成績優秀者として認定され、トロフィーや賞状をもらってしまいました。
ところがさらに驚いたことに、新聞社からも表彰されたのです。
新聞社としても、その会社の通信教育の後援者として、貴殿の成績を嬉しく思い、表彰式を行いますのでおいで下さいと連絡があったのです。
びっくりしましたが、行ってみますと実際に別の団体や会社からも成績優秀者が数名来ておられ、ウソではありませんでした。
翌日、その新聞には、写真や氏名も掲載されました。

この通信教育を卒業できましたので、庭園管理者の看板を上げ、職業とすることもできますが、私は趣味で楽しむだけですから、看板は購入しておりません。

ただ、歳をとってきますと、体の方がちょっと疲れ気味になります。
大事にしていた松の木を切ってしまいました。
両手を合わせて、「ごめんね、今まで楽しませてくれたのに、申し訳ないけどね」と謝ってノコを入れました。

池は駐車場を広げる必要があったため埋めてしまいました。
結果として、現在は少しさっぱりした庭になっています。
でも、庭仕事と言うのは、体の健康のためにも良いですし、心の健康にもよろしいです。
これからも人生が続く限り庭仕事はしていくつもりです。

次は温室のことを書きますが、なぜ温室を作ったのか自伝として紹介したいのです。ただ花が好きだったからではありません。


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