結婚生活

 
結婚し子供も孫も元気にしております。
「人生における青春とは、人生のある期間を言うのでなく心の持ち方を言うのである」と言う言葉があります。
好きな道を行く人生、夫婦愛や生活、歳を重ねてからの心の持ち方などお話しします。

一般に、青春とは20歳くらいの時のことを言うとされていますが、私の大学の壁に「青春の詩」という大きな額縁がありました。 正確に覚えているわけではありませんが、要旨は覚えています。
「青春とは人生のある期間を言うのではなく、たくましい意志と、情熱を持っていることを言うのだ。60歳の人にも青春はあるのだ」と、そのような内容でした。

私は25歳で結婚しました。
結婚当初は給料も安く、妻には内職までしてもらいました。
子供も斜頸であったため、ほとんど毎日病院に通ってくれました。雨の日も傘をさして徒歩で駅まで行き、遠くの病院まで通い続けました。
私は会社で好きな道である電気の設計開発に打ち込んでいましたが、そのようなことが出来たのも家内の支えがあったからです。

皆さんはペットを飼ったことはありませんか、そのペットが亡くなった時、悲しくて仕方ありません。
男でも涙しますし、家内は一日中目を腫らしていました。
ペットに向かって、「愛しているよ」などと言ったことはありませんが、やはり愛していたのです。

人を動物と同じにしてお話しするのは失礼かもしれませんが、結婚生活における夫婦の愛情は、それと似た感じがします。
お互いに、愛しているよなどと口には出しませんが、互いに愛し合っていることは間違いありません。
「愛」とはどういうものであるかいろいろの定義がありますが、はっきり言って、私の場合どれも当たっていません。
私はよく、「赤い色」の話をします。
生まれた時から目の見えない人に、「赤い色とはこれこれだ」といくら言っても分かってもらえないでしょう。
もう一ついうならば、仮に、一度も熱いものに触れたことのない人に、熱いということをいくら説明しても分かってもらえません。でも、お湯の沸いたヤカンにちょっと触れてもらえば、説明しなくても分かってもらえます。

夫婦愛も、そのようなものです。どんなものかと聞かれても説明はできません。
仲の良い夫婦を永年続ければわかってきます。
口や言葉では説明できませんが。

一昨年、市から、金婚式のお祝いを頂きました。
結婚50周年を祝ってもらったのです。
お互い浮気もせず、よくやって来れたものだと、二人で笑っています。

結婚生活の金銭面は、最初は大変でしたが、仕事も順調になり、給料も上がりましたので不自由はしませんでした。
最初に親が建ててくれた家は取り壊し、新しく建て直しました。
さらに、この家も壊してしまい、今度は二人の望みであった鉄筋コンクリートの家を作りました。二所帯住宅とし、風呂もトイレも別々です。

結婚生活の基本は二人の愛であり、いつまでも続いている青春だと思います。
家内は卓球とハイキングに情熱を持ち、ほとんどの時間をつぎ込んでいます。
私もいろいろの趣味に没頭し、地域の方々のために神社のお手伝いをしています。
よしやるぞ!と言う意志、さらに前に進もうとする情熱、これは今でも続く人生の青春だと思います。

話をすればきりがありません。子供や孫のことも書きたいですし、旅行に行ったことやいろいろの思い出も限りなくあります。
しかし、この自伝をまとめていて、夫婦生活の原点、青春という意味を思い出しました。
生活費の心配もなく、二人とも好きな道を好きなように残りの人生を歩むことが出来るのです。
いつまで続けられるかわかりませんが、健康である限り、二人仲良く続けていきたいと思っています。

恋愛にしろ、夫婦愛にしろ、愛するということは理性から来ているのか本能から来ているのか、経験として感じたことを次に書いてみたいと思います。


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