中学校の女性

 
中学生になりますと小学校の時少し気に入った子とは別のクラスになり、すっかり気にもしなくなってしまいました。
町の生徒たちとも同じクラスになり、小学校の時とは別の女性と少し話をするようになって、徐々に親しくなってきました。恋文までもらうほどになったのです。

そのようになってきた経緯をお話しします。
まず、同じクラスの中で男子同志の仲良し軍ができました。
その仲良し同志で、女の子たちと団体交渉することを決めたのです。誰が交渉に当たったかもう忘れてしまいましたが、女性軍と話し合うきっかけができたのです。

男子軍の中で、では誰はどの女性にするか話し合いをしました。
私はある女性を望んだのですが、それは既に付き合っている人が居ることが分かり、断念して別の人を選びました。
後日再度女性軍と話し合いが持たれ、誰は誰と、と決められてしまったわけです。

私は第二候補の人と付き合うことがクラスの中で隠密裏に決められてしまったわけです。
女性軍は全員OKしたのかどうか知りませんが、私の相手はOKをくれました。
ひどい人選だったのですが、皆、遊び半分の気持ちですから軽く考えていました。

ところが日がたつにつれ、私の場合はだんだん交際が強くなってきました。他のカップルはどうなったかは知りません。
交際と言っても、デートするわけでもなく、校内で軽く口を利く程度でしたが紙切れに手紙文を書いて渡すようになり、ついにはラブレターと言ってよいほどの手紙をやり取りするほどになりました。

彼女は、とうとう、写真館に行ってちゃんとした写真を撮って、私にプレゼントしてくれました。
裏には文字も書いてありました。

ところが、ある日、突然学校から親が呼び出されたのです。

呼び出しを受けた私の親は、息子さんが女性と付き合っているようですが、まだそれは早すぎますからきっちり叱ってくださいとの話がされたのです。
親はびっくりしたと思いますが、とてもきつく叱られました。
向こうの親も呼び出しを受けたようです。

私と彼女はそれ以来、まったく赤の他人になってしまいました。
なるほど早すぎるということも納得できましたし、親が呼び出しを受けてまで叱られたことにショックを受け、反省したからです。

その後、彼女とは同じ高校に進学しましたが、クラスも違い、話をしたこともありません。
何十年もたってから会ってはいますが、そのようなことが昔あった事は互いに口にもしませんし思いもしなくなってしまいました。

まあ、一陣の風がスーッと吹き抜けていったという感じで終わりになりました。

次は本当の恋の始まりについて話をしましょう。


自伝 TOP  次頁