神社の
氏子総代

 
地域の人のために神社がありますが、この神社の氏子総代を務めています。
氏子総代は数か所に区切られた地区の氏子の代表です。宮司を支えたり、神社の運営などに携わります。
月に何回か出社しますので結構な仕事量になります。

昔は氏子総代はその地区の富豪とか、旦那衆とか言われる豪氏が務めていたもので、氏子総代と言う表札も付けていたものです。
しかし時代が移り、氏子総代は一般の人でも務めるようになってきましたが、さらに時が進むと、氏子総代を引き受ける人が少なくなってきたのです。
報酬はないと言っても良いほどのボランティア的存在ですし、仕事は肉体労働まで含まれる結構きつい仕事です。
しかも月に何回も出ていかなくてはなりませんから、仕事を持っている人には務まりません。

色々の行事がありますが、その都度準備をします。紫の幕を付けたり、大きな神社のぼりを揚げたりします。
例大祭では市長までお祝いに出席してくれますし、市会議員や区長などそうそうたるメンバーの接待もしなければなりません。
中でも一番大変なのは正月の準備です。
大きなしめ縄を数人がかりで編み上げたり、大きな門松を作ります。門松は4個作らなくてはなりません。山に行って松やササなど取ってきます。
当然太い竹が必要ですので竹の切り出しに行くのですが、急斜面のため動きにくく、倒れて来た竹の下敷きになって病院に行く人が出たこともあります。

年越しの夜は大きな焚火をします。一年の厄を払うためでもあります。
火の勢いが強すぎると危険ですし、弱すぎるとあまりすっきりしませんので、調整が常時必要です。火の粉をかぶってハンテンに穴が開いたこともあります。
同時に甘酒をふるまいます。大きな鍋で次々と沸かしますが、一千人近い人が行列を作りますのでふるまい係も必死です。一杯飲んで楽しんでいることはできません。
厄歳の方と氏子総代と協力して行いますが、この晩は徹夜になります。
12月25日から、1月4日まで11日間出社続きになります。

今日は新嘗祭を行ってきました。
今まで私が、司会役をやっていましたが、世代交代も必要ですので新しい人にバトンタッチしているところです。
だんだん色々の事をやってもらえるようになってきましたので、少しは楽をさせてもらっています。
この神社の中で、氏子総代として最年長になってしまったのです。

氏子総代は3年任期なのですが、何期でも続けられます。
実際には氏子総代の受け継ぎ手がなく、仕方なく何期かやっておられる地区もあります。
私の場合は、受け継ぎ手の心配はありませんが、人との交わりを保つためと言うことも考えたり、地域のために少しでも役に立つことが出来れば良いのではないかと言うことも考えたりして、長くなっているのです。

あと2年と少し続けようと思っています。
私はどういうわけか、祭りが好きなのです。町内祭りに参加しているのもそのためです。
神社の氏子総代もそういう背景があるのではないかと自分では思っています。
これはやはり、「好きな道」を歩いていることなのでしょうね。
良い人生を送ることが出来て神様にも感謝している次第です。

好きな道を生き抜いてきた、悔いのない人生についての自伝はこれで終わりにしますが、そのほか色々思い出を綴っていますのでその目次をご覧頂けたら幸いです。


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