忘れられない
思い出
進路

 
大学に進むためにはこれからの人生の方向を定めなくてはならないと思いました。電気も好きでしたし、数学も得意でした。
どちらにしようか迷いに迷ったという忘れられない思い出があります。結局電気を選び、悔いのない人生を過ごすことが出来ました。


進路

受験勉強の前に、実はもっと大切なことを行いました。自分のこれからの人生としての進路を決めたのです。
とにかく私は電気が好きですから、出来れば電気の道で生きていこうか、と思っていました。しかし進路を考えたとき、もっと安定したことを望むなら、数学の先生はどうかな、と思うようになりました。

数学も好きですし、だれにも負けない自信もありましたので数学の先生はいいなとも思ったり、好きな電気の道に進むべきか真剣に悩みました。これを決めないと目指すべき大学を決定できないからです。
今ここで決めた進路は自分の一生を決めるのだと思うと、本当に真剣にならざるを得ませんでした。

そこで、結局もとのサヤに収まったというわけではありませんが、昔から好きだった電気と言う道を進もうと決心したのです。
すると、大学がある程度決められてきます。
まず真っ先に限定されるのが、国立大学は駄目だと言うことです。
私はすべての科目に通じているわけではありません。物理数学など理系の科目しか駄目だからです。
ですからまず私立で電気関係の学部のあるところに限定されます。

私立の大学を目指すことにし、調べて見ますと特待生よりも更に条件の良い給費生というコースのあることが分かりました。

大学への入学において寄付金は要りませんし、授業料もいりません。特別な学生を集めて大学の宣伝に使うのです。うちの大学にはこういう優秀な学生が居ますよと、社会に宣伝するわけです。
ですから、試験の合格レベルが非常に高いのです。募集人員も全学部合わせて10人。電気工学科では一人だけしか合格できないのです。
ところが、試験項目がなんと、物理と数学だけでいいのです!
奮い立ちましたね。よーしやったろ!と。

普通よりも早い12月に試験がありました。
結果発表のある1月になるのが待ち遠しかったです。
  合格!
したのです。電気工学科の中で一人だけです。
物理と数学に賭けた人生の始まりみたいなものです。世の中には色々の道があるのですね。この私のように我がままなやつを拾ってくれるところがあったのです。
物理と数学だけやっていて良かったと本当に思いました。人生の進路はここで決まりました。

合格通知は郵便で来ました。私が学校に行っている昼間のうちに家に配達されました。
お袋がその郵便を受け取ったのですが、中味が見たくてたまりません。合格なのか不合格なのか! 私宛の郵便ですから、封を切るわけには行かないのです。
随分悩んだそうです。でもどうしても中味を見たくてついに封を切ってしまったのだそうです。
小躍りして読んだそうです。
お袋の私を心配してくれる気持ちがそんなところにも現れていました。


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