忘れられない
思い出
高校のクラブ

 
高校ではは物理化学クラブを作りました。
このクラブを作ったことは忘れられない思い出ですが、全校生徒の前で宣伝したのです。
「パリの有名な化粧品も化学の力で出来ているのですよ」とぶち上げました。びっくりしました。女の子ばかり、どっと来たのです。


高校のクラブ

私の住んでいたところは比較的こじんまりした山間の「市」ですから、高校は全部で三つしかありませんでした。
一つは農業などを学ぶ実業高校、もう一つは教養と商業中心の高校、そうしてもう一つが進学のための高校です。
私はこの進学の高校に入りました。
でも一年生のときは全く受験のための勉強はしませんでしたね。

勉強を本格的に始めたのはもう三年生に近くなってからです。でもこのときは真剣にやりました。
まず勉強部屋ですが、適当なところがありません。
兄夫婦に子供が出来てうるさいですし、冷暖房があるわけでもなく、暑いか寒いかのどちらかみたいなもので、良いところがないのです。
思いついたのが土蔵です。
小さい頃、悪さして叱られたときはここに押し込められたものです。怖いところでしたね。でももう怖くはありませんし、静かで、断熱が良く効いているのです。土蔵の二階の窓際に小さな机をおいて勉強に打ち込みました。

そんな中で、学校での活動として、またまたクラブ活動を考えました。
今度は物理化学クラブを作ったのです。
朝礼台に上がって、全校生徒の前で宣伝しました。
「みなさん化学を勉強しましょう。パリの有名な化粧品も化学の力で出来ているのですよ」とぶち上げました。
集まりましたね。びっくりしました。女の子ばかり、どっと来たのです。
このクラブを作ったことは忘れられない思い出です。
でも女の子を扱うのは私には無理だったようです。
いろいろ化学の実験など計画し、やってはみたものの、一人欠け、二人欠けでほとんどいなくなってしまいました。

最後は一人だけになりました。それでも名目としてはれっきとしたクラブなのですから、予算も通ります。
物理化学部ですから物理でも良いわけで、随分昔からあこがれていた天体望遠鏡を申請しました。
意外にすんなり通り、現物が入ってきたときは嬉しかったですね。
またまた全校生徒の前で、「天体望遠鏡が入りました。クラブ員でなくても誰でも見に来ていいですよ」と話し、天気の良い夜には多くの人に喜んでもらうことが出来ました。


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