忘れられない
思い出
淡い恋

 
小学校も高学年になったころ、何となく同窓生のある女の人を意識するようになったのです。
恋心と言うようなものではなく、言葉では説明しにくいのですけれども、ちょっとこっちを向いてくれるといいなぁ、と思いながら居るという程度でしたが、子供のころの忘れなれない思い出です。


淡い恋

私のクラスは転校生も入って来て、総勢23人になっていました。男5人と、女18人です。
人間と言うのは不思議な感情を持つものですね。

淡いながらも恋の感情と言うのは不思議なものです。とても言葉で説明できるようなものでは有りません。
好きだ好きだと言いまくっていれば良いのでも有りません。
やっぱり心に秘めるものなのでしょうか。
クラスの女の子の一人を意識するようになってきたのです。まったくそ知らぬ振りをしていますが、人の目を盗んで、横目でチラッと見るとか、こっちを向いてくれるといいのに、と言う感じのものでしたでしょうか。

恥ずかしいから言い出せなかったというわけではありません。
付き合ってほしいとか、好きですなどと打ち明けるほどの必要性がなかったということだと思います。
そうは言いましても、心の中にその人を意識していたことは確かです。
今思えばやっぱり好きになっていたのかもしれませんね。
子供心とはいえ、淡い恋をしていたのではないでしょうか。
結局何も言わないまま卒業してしまいました。

でも不思議なことがあるのです。
私の筆箱に、いつのまにか別の鉛筆が入っているのです。短くなってもう使えないのですが、取り除いておくと知らないうちにまた短い鉛筆が入っているのです。
ひょっとして私の思っている子が入れてくれているのならいいのになぁ、とか、思い切って打ち明けた方が良いのかもしれないし、でも違っていたらかっこ悪いし・・、などと思ったこともありました。

なぜ短い鉛筆かと言いますと、実は理由はあるのです。
理科の実験と言うことで、乾電池を作る実験をやりましたが、その時いらなくなった鉛筆の芯を粉にして使いました。
誰が入れてくれたのかは今でも謎のままですが、その人は、きっと私はまた家で乾電池ので実験をするかもしれないと考えたのでないでしょうか。
しかし、男の子が入れてくれるはずはありませんから、だれか女の子が私のことを意識したのに違いないと思うのですけど。
忘れられない思い出ですが、そう思うのはうぬぼれですかね。


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