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下宿していた場所が悪かったのか自制心がなかったのか分かりませんが、大学生は勉強しなくてはいけないのに、近くのストリップ劇場に通い詰め、成績まで下がってしまったという、忘れるに忘れられない思い出もあるのです。 遊びすぎ 大学というのは勉強する所なのか遊ぶ所なのかわかりません。一度引越しすると癖がつくのです。半年も経たないうちにまた引越ししてしまうのです。色々あります。うどん屋の2階も良かったですよ。食べ物は商品のどれでも注文すればただでくれるのですから。かつドンでもカレーでも何でもあります。 私がこの都会に出来た時は、2,3年前に赤線が廃止になったばかりです。 赤線というのは、いわゆる売春宿の密集している地域を地図の上で赤線で区切ってあったためにそう呼ばれたのですが、売春禁止法により廃止されました。 そうすると、客を呼んでいた女は職を失いますし、その家はがらんどうになってしまいます。 それで、その家はしかたなく下宿屋に変身したのです。 私はそういう中の一軒に引越してきて住んだ時があります。 2階の窓側の部屋でした。ちょっと身を乗り出すことの出来るベランダもあり、そこに腰掛けていると夕涼みにちょうど良い具合です。夜もふけてくるとラーメン屋台がチャルメラを鳴らしながら通ります。 いっちょたのむわ、と声をかけますとひもを放り上げてきます。一端を保持して反対側をたらすと、竹篭にラーメンを入れてくれますから、手繰り上げるという具合です。 ラーメン屋も行ってしまいますと、下には女の人が立っています。通る人に声をかけています。「ねえ、遊んでいかない?」。 ほんの少し離れた所にはストリップ劇場があります。 それが夜8時頃行くと割引になって安いのです。その前はただ映画とかパントマイムみたいなことをやっているだけで面白くもありません。本当に面白くなる頃から安くなるのですから不思議です。 それで、一度入って見ましたら、凄いんです。こんなの見たことないというサービスです。ついつい毎晩通うことになってしまいました。 そうしたらですよ! 学校の成績が下がってしまったのです。テスト期間中に通ってしまったのです。 先生から呼び出しを受け、「どうしたのかね。今回成績悪いよ。来期もこんな調子だと給費生停止になってしまうよ」と厳重注意を受けてしまいました。 次のときは良かったですから無事に済みましたけれども、何事も度を越すといけないなと反省した次第です。 下宿した場所が悪かったのでしょうか。それとも自制心がなかったのでしょうか。 大学生活における、忘れるに忘れられない思い出となりました。 |